■クレーマーや不当要求の基準
サービスの改善につながるクレームや自らに落ち度がある事項に対する苦情は真摯に対応することが望まれます。一方で、過剰なクレームや不当な要求を強要しようとするクレーム、職員や施設を不当に攻撃することを目的とするクレームには、職員の身体的精神的な安全を守るためにも毅然と対応することが求められます。クレーマーには「職員の人格を否定する」「些細なミスに対して執拗に抗議する」「無理難題を迫る」「金銭を要求する」といった特徴があります。このような兆候が現れた場合には、管理職を含む複数の職員で連携しながら対応し、場合によっては弁護士・警察などの助けを借りることも視野に入れて対応する必要があります。
■ クレーマーに対する刑罰
悪質なクレームや不当要求は刑事罰の対象になる場合があります。従業員や施設の生命・身体・名誉・財産などに対する害悪を告知する行為には脅迫罪が適用されます。また暴行脅迫を用いて法律上の義務がない行為を強要する行為は強要罪、金銭や財産を脅し取ろうとした場合は恐喝罪の実行行為に該当する可能性があります。また訪問を拒絶していたり退去を要求しているにもかかわらず要求を無視して訪問したり居座ったりする場合は住居あるいは建造物侵入罪・不退去罪が成立します。これらの行為に該当するようなクレーマーが現れた場合には要求をはっきり拒絶したうえで警察・弁護士に連絡することも視野に入れて対応しましょう。