「中小企業のため、特別な契約については取引先から契約書を提示してもらっているが、リスクとなっていないだろうか。」
「取引にあたって契約書を提示したところ、修正の依頼をされてしまった。依頼内容に問題がないかどうかどのように判断するべきだろうか。」
契約書の内容について、こうしたお悩みをお持ちの経営職の方、管理職の方は決して少なくありません。
このページでは、企業法務にまつわる数多くのテーマのなかから、リーガルチェックについてスポットライトをあて、くわしくご説明します。
■リーガルチェックとは
リーガルチェックとは、法的に問題がないかどうかはもちろん、自社にとって不利な内容となっていないかどうかを確認する業務のことをさします。
リーガルチェックが主に行われるのは契約書ですが、それ以外にも、新規事業の立案や、社員の労働条件の変更などで、リーガルチェック(法的な検討)が行われることがあります。
■契約書におけるリーガルチェック
リーガルチェックの代表例として、契約書におけるリーガルチェックについてご説明します。
契約書は、簡単に言えば当事者同士で取り決めた内容を、書面として残したものをさします。その内容はさまざまで、商品やサービスの提供についての契約書はもちろん、企業が従業員を雇う際に締結する契約書、秘密保持に関する契約書、業務を別会社に行ってもらうための業務委託契約書、事業承継のための契約書などがあります。
リーガルチェックでは、その契約書が違法なものではないか、また、自社に不利益な条項が入っていないかを検討することになります。
例えば、遠方の取引先との契約において、自社の本社は東京にあるにも関わらず、専属的合意管轄裁判所が取引先の管轄裁判所となっていると、万が一訴訟が起こった際の対応に非常に手間がかかります。
こうした事態を避けるため、契約の条項一つ一つを丁寧にみていくのです。
また、基本的なことではありますが、契約相手の名義や印影に不備がなく契約書として有効なものであるかについても、印鑑証明書を請求するなどで確認しておかなければなりません。
契約書の内容がどれほど充実していたとしても、そもそも契約書として無効であれば、意味がないからです。
■リーガルチェックの重要性
リーガルチェックはなぜ重要なのでしょうか。
それは、企業のリスクマネジメント業務であるからです。
例えば、契約は、その内容について当事者同士で自由に取り決めることができますが、その自由さの裏返しとして、自社にとってとても不利な条件で契約を結ぶ可能性もあります。
会社は、継続的に利益を生み、存続していかなければなりません。
万が一というときに参照した契約書が役に立たなかったり、不利な契約に縛られて損失が拡大し続けたりといった状況は、絶対に避けなければならないのです。
リーガルチェックは、そうした危険を避けるための、大切な業務なのです。